2021年8月25日(水)に、医療安全管理 インシデントレポートシステム「e-Riskn」バージョンアップ記念 「報告で培う患者安全文化-あなたのインシデントレポートがいかされる-」を、オンラインで開催しました。

セミナー概要

講師のご紹介

鹿児島大学病院 医療安全管理部 副部長(医科担当) GRM  内門 泰斗 先生

1997年鹿児島大学卒業
1997年鹿児島大学第一外科入局
2007年鹿児島大学病院消化器センター消化器外科
2014年鹿児島大学病院医療環境安全部安全管理部門 専任
2018年鹿児島大学病院医療安全管理部 専従

2021年度日本病院会医療安全管理者養成講習会 アドバンストコース講師

セミナー開催レポート

セミナーの申し込み時に、医療安全管理者様から業務上のお悩みをたくさんいただきました。

  • インシデント報告の必要性を、どうやって職員に周知したらよいか。
  • インシデント報告件数を増やすためにはどんな取り組みが有効か。
  • どのようにインシデントレポートを活用しているか。
  • インシデントレポートから、改善策やPDCAにどうやってつなげているか。

内門先生は、これらのお悩みをふまえてご講演を行ってくださいました。
50分のセミナーの内容を、一部ご紹介します。

医療安全の基本・インシデントレポートの基本

まず、過去の医療事故を振り返りながら、「なぜ医療安全が必要なのか」・「なぜインシデント報告が必要なのか」を、わかりやすくご説明頂きました。

鹿児島大学病院様の事例から

次に、鹿児島大学病院様での取り組みをお話しいただきました。

鹿児島大学病院様での報告状況・報告件数をふまえ、グラフ・現場の写真・職員周知用のスライド(先生が作成しているとのこと!)を用いつつ、具体的で実践的な施策が紹介されました。

  • インシデントレポートの入力方法の指導方法・工夫
  • 医師・歯科医師が報告するべきインシデント対象
  • インシデント報告の院内紹介例
  • 院内ラウンドを行っている項目例
  • 院内ラウンドの際の写真

司会の感想

特に、院内ラウンドの写真が印象に残りました。
「どこをチェックしないといけないか」・「どこにリスクが潜んでいるか」が、とても分かりやすく伝わりました。現場の写真は、説得力のある恰好の教材になると実感しました。

指差し呼称の重要性

セミナーの最後は、内門先生のお声掛けで指差し呼称の実践を行いました。

司会の感想

私も先生の掛け声に合わせて、声を出して体験しました。
セルフチェックとして、自分が何をしているか確認できるという点はもちろんですが、声を出すことで周囲のメンバーにも共有されることに気づきました。目視でセルフチェックするよりも、一石二鳥だなと思うことでした。

質疑応答

内門先生には、寄せられた質問に時間いっぱいご回答いただきました。
どの質問に対しても、各現場のリスクマネージャーとの関係構築に言及されていたのが印象的でした。

  • 当院でも医師からの報告数を増やしたいと考えており、報告すべき対象を明確にされている点、大変参考になりました。一方で、薬剤師やリハビリ・事務といった、コメディカルからの報告数を増やす取り組みは何かされていらっしゃいますか。
  • 院内で起こったインシデントの共有は、どのようにされていらっしゃいますか。
    安全管理ニュースを通して行われていますか。
  • 強化月間について、是非真似して取り組んでみたいと考えております。
    ポスター以外に、何か院内で呼びかけやお願いをされていらっしゃいますか?
  • 先生がドクター向けに作っていらっしゃるスライドは、どのようにドクターへ共有されているのでしょうか。

参加者アンケートより

セミナーにご参加いただいた方の感想を、一部抜粋してご紹介します。

特定機能病院における、レポートシステムについてとても分かりやすく講和をいただき、大変参考になりました!
医師の報告すべき項目について、医師への共通認識事項として話がしやすくなると思いました。院内の整備を進めていきたいと考えます。

日常業務に沿って、とても参考になりました。
安全文化の醸成を継続して取り組むためのヒントをもらえました。
特に、安全情報にポジティブレポートの掲載はとても良いなと感じました。
取り入れたいと思います。ありがとうございました。

本日の医療研修は医療安全の基本から実践までとても分かりやすい内容でした。
ありがとうございました。今後当院の課題に対しても計画し実践してみようと
思います。

わかりやすい内容でした。ありがとうございました。研修受講して、指さし呼称の有用性について、再認識できました。指差し呼称に協力的な職員を味方につけて、指さし呼称リーダーを増やしていきたいです。
院内ラウンドの画像は、あるあるですね。ラウンド後は改善しますが、再発しやすいですので継続しております。

参考になる部分がたくさんありました。早速当院でも取り入れようと思います。ありがとうございました。

おわりに

改めまして、ご参加いただいたみなさま、ご講演いただいた内門先生に心よりお礼申し上げます。
皆様からいただいたご意見も参考にしつつ、今後もオンラインセミナーを開催していく予定です。

「こんなセミナーを聞いてみたい」・「普段の業務でこんな悩みがあるんだけど」というご意見がございましたら、ぜひこちらまでお寄せ下さい。