皆様、こんにちは。
医療安全管理者様の中には、「インシデントレポートシステムを導入したい、だけど稟議書が通らない」「何度も経営層に相談しているけど、なかなか導入に至らない」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
今回は、そのような悩みを解決するために、経営層に「資金投入する価値がある」と伝わる稟議書の書き方をご紹介します。
まず、稟議書とは何か?
稟議書は、業務上必要な物品購入やサービスの導入などを行う際に経営層から承認を得るための書類です。
承認を得る過程で、複数の責任者等の承認が必要になることもあり、その都度書き直しを要求されることもあります。
インシデントレポートシステムを導入し業務改善をしたいと思っていても、稟議書作成が業務負担となっては本末転倒です。
稟議書のポイントとその書き方
以下に、一般的な稟議書の構成要素と、それぞれに対する具体的な書き方を説明します。
なお、具体的なフォーマットは、各病院や施設の決まりに従ってください。
①件名
ここでは申請の主題を記載します。
内容が一目で理解できるよう、短く、具体的に書きます。
②稟議内容の概要
稟議書全体の内容を簡潔にまとめます。
ここは、件名よりも詳しく書くことで、稟議書の全体像を伝えます。
③承認してほしい内容
申請内容のうち、特に承認してほしい部分を明記します。
承認者が「何を判断すれば良いか」を一目で理解できるようにします。
④目的
システム導入の目的や、その背景となる現状を記載します。
ここでは「申請者が何を達成したいのか」が最も伝わるように書きましょう。
ただし、「医療安全管理業務の負担を減らしたい」とだけ書いても、業務を直接経験していない人には具体的な負担が伝わりません。
⑤効果
新システム導入によって期待できるメリットや改善効果を具体的に書きます。
現状の背景に対する改善効果がどのように現れるのかを分かりやすく説明することが大切です。
⑥想定されるリスクとその対策
新システム導入時には、懸念事項やリスクも存在します。
ここではそれらのリスクを明確にし、それに対する具体的な対策を提案します。
「使いこなせるのか」「導入費用だけが掛かるのではないか」といった疑念に対する解答を明記しましょう。
予定しているシステムのサポート体制、マニュアル、導入フローなど、詳細な情報を合わせて提出することで、より説得力のある稟議書になります。
インシデントレポートシステム導入の稟議書サンプル
ここでは、当社のインシデントレポートシステム「e-Riskn」の導入する場合の稟議書を例にして見てみましょう。
件名
医療安全管理向けインシデントレポートシステム「e-RIskn」の導入提案
稟議内容の概要
業務負担軽減と医療安全管理の効率化を目的とした、インシデントレポートシステム「e-Riskn」の導入を提案します。
承認してほしい内容
「e-Riskn」の導入とそれに伴う必要経費の承認を求めます。
目的
現在の紙ベースのインシデントレポートでは以下の問題が存在します。
- レポートの記入に時間がかかり、細かなインシデントの報告が漏れがちである。
- 集計作業が手間取り、統計データが適時に委員会に提供できない。
- レポートの承認フローに漏れが生じやすく、どのレポートがどの段階にあるか追跡が困難である。
これらの課題を解決するため、「e-Riskn」を導入したいと考えています。
効果
「e-Riskn」の導入により以下の効果が期待できます。
- レポート入力がマスタを引用することにより効率化されるため、記入時間が大幅に削減される。
- 統計データはレポート作成と同時に自動集計され、委員会での即時利用が可能となる。
- 承認フローが電子化され、各自が確認すべきレポートがダッシュボードに表示されるため、承認の漏れや追跡の困難さが解消される。
参考資料:他の医療機関での導入事例
医療法人愛生会 金隈病院「資料作成・集計作業がこれまでの1/3以下に」(添付元:https://e-riskn.com/cases/kanenokuma/)
想定されるリスクと対応策
導入に際して、パソコン操作に不慣れな職員がいる場合、システムに慣れるまでに時間がかかる可能性があります。
- 導入時に操作説明会の実施
- ダッシュボード画面に操作マニュアルの配置
- サポートの電話番号を周知
以上の対策でこれらのリスクを最小限に抑えることができます。
費用
※見積内容を記載
稟議書は、具体的な問題点とその解決策、そしてその効果を明確に示すことが重要です。
「e-RIskn」の導入によって具体的にどのような効果が期待できるのかを、経営層に分かりやすく伝えるための道具として活用してください。