病院名 | 社会医療法人恒心会 恒心会おぐら病院 |
所在地 | 鹿児島県鹿屋市笠之原町27番22号 |
許可病床数 | 216床(急性期:116床、回復期リハ:100床) |
鹿児島県鹿屋市の恒心会おぐら病院様は、1次・2次救急体制を備え、外科・整形外科・神経内科を柱にした急性期一般病床、県下最大規模のリハビリテーション専門病床、老健や在宅向け介護事業など、一貫した医療・介護サービスを地域に提供しています。
2021年10月に、「e-Riskn」をご導入いただきました。
導入の背景や活用方法について、医療安全管理者・副看護部長の原田(はらだ)様と、手術師長の隈元(くまもと)様にお話を伺いました。
動画でのインタビューはこちら
これまでのインシデントレポート運用にどのような課題を抱えていましたか?
原田様:2018年前後から、システムを導入したいという気持ちはありました。
当時は紙運用で、約160件/月の報告を管理者が入力していました。負荷軽減になるようにExcel運用に切り替えたのですが、それでもやはり入力作業は残りました。
紙運用だと管理者への報告も遅くなります。やっとレポートが提出されても、本人や部署長のお休みと重なって、レベルの低いものは対応が後手に回っていました。
データを出さなければいけない・委員会の準備をしないといけない…とにかく事務作業に追われて、本末転倒になっていると感じていました。
隈元様:業務が終わってから残業時間で書くことも多かったですね。師長への報告が遅くなると、師長がレポートを見るのも遅くなって、対応も遅くなって…。
原田様:医療安全専任の医師も「これはどうにかシステム導入しないといけないよね」と院内で強く主張してくださって、導入に至りました。
e-Risknを採用いただいた決め手は何でしたか?
原田様:3社の比較検討をしました。
他社のシステムは、意外と項目が多くて入力が複雑でした。対応自体も何だか遠く感じてしまって…。
e-Risknを紹介されたときに、見やすかったですし、システムを使ってもらいたいという気持ちや、今できないことも一度受け止めて運用案を検討してくれる姿勢が伝わり、ありがたいなと思って採用しました。
運用で工夫した点を教えてください。
原田様:事故の内容の選び方は、こういうときはこれを選ぶという一覧表を作って、各部署の担当者に共有しました。入力してもらったときにコメントで修正をお願いしたり、委員会やカンファレンスで現場への周知をお願いしたりしましたね。
稼働後の3日間で、「とにかく入力してみよう」と呼びかけました。医局でも専任の先生が「いいシステムだから使ってみて」と声掛けしてくださったみたいです。
隈元様:操作研修のときには、できるのかなと思いました。実際に操作してみると、「そんなに難しくないよね、これならいけるかも!」とスタッフと話をした記憶があります。
現場としては、どんなところに導入の成果を感じますか?
隈元様:電子カルテから患者情報が連携されますし、記録からコピペでe-Risknに貼り付けられるので、入力時間は短縮されましたね。
画面を見るとシンプル。一画面で入力完了できるようになっていて重い感じもしない。これなら、現場も嫌がらずに入力してくれるという期待感もありました。
病棟の転倒転落チームをはじめ、各部署でも統計機能は使っています。
各部署からのアンケート結果(抜粋・要約)
- 入力時間が短縮された。
- 当事者以外のスタッフが情報を得やすくなった。
- 自部署の統計がわかる。例えば、自病棟は薬に関するインシデントが多いので、薬剤に関する業務改善が必要で取り組もう等、と活かせている。
- 今までの運用では、全ての情報を考えなくてはならず書き直しに時間がかかったり、重要な項目の記載漏れなどが発生し、報告書の提出遅れにつながっていた。システム導入で作成時間の短縮ができ、提出しやすくなった。見直しも簡単にできる。
- インシデントが発生したときの背景を考え、次への改善につなげることができている。
管理者としては、どんなところに導入の成果を感じますか?
原田様:報告件数が200件/月まで増えました!
導入当初は少し件数が落ち込みましたが、現場に行って操作を粘り強く伝えました。レポートを提出する習慣はあったので、入力に慣れてシステムの方が楽だと思ってもらえたから、件数が増えたのかなと思います。
詳しく入力して欲しいときや改善が不十分な場合、部署でカンファレンスしてほしい場合は、コメントで伝えています。部署内で起きた事象をスピーディーに共有できるのも良いですね。
統計も1クリックで表示されるのもありがたいです。クロス集計も細分化した分析で使っています。
カンファレンスや委員会用の資料として事例を提示していたのですが、e-Risknからまとまった一覧が出せるようになったので、それもすごく便利です。
専任の医師も、「こんなに件数があるのに手入力はありえなかったよね、管理者が現場へ足を運ぶ回数・時間が増えたのが一番良かった!」と仰ってくださいました。
今後の課題やe-Risknへの期待を教えてください。
原田様:これまでのバージョンアップで、レポートの既読者がわかるようになったり、患者検索が早くなったり、要望をかなえてもらいました。今後は、PDCA機能で業務改善計画書を使っていきたいですね。