病院名高梁市国民健康保険成羽病院
所在地岡山県高梁市成羽町下原301番地
許可病床数96床(一般:54床、医療療養:42床) 、医療安全対策加算2

岡山県高梁市の成羽病院は、地域医療の守り手として急性期から慢性期までの幅広い疾患に対応し、在宅医療・検診業務にも力を入れています。

インシデントレポートの完全ペーパーレス化・集計業務の簡素化の必要性を感じ、2020年11月に「e-Riskn」をご導入いただきました。 導入の背景や活用方法・今後取り組みたい施策について、医療安全管理者(専任)の高下(こうげ)様にお話を伺いました。

これまでのインシデントレポートの報告・管理に、どのような課題を抱えていましたか?

これまでインシデントレポートはシステムで、転倒転落報告書は紙ベースで運用していました。
職員から転倒転落が発生してもすぐにシステムに入力できないという声があり、提出率を下げないために紙媒体を残していました。
また、インシデントレポートの統計も細かい部分は手集計をしていました。

今回e-Risknの導入にあたって、「転倒転落報告書をシステムで入力したい」「統計の手集計を無くし簡単にしたい」と思っていました。

e-Risknの導入効果や、高下様が楽になった業務はありますか?

職員から「前のシステムがいい・紙がいい」「入力しづらい」という声は上がっていません。 最初のうちは入力方法の問い合わせもありましたが、「一回開いて、触ってみて」と言い続けました。
入力方法というよりは、どの事故内容を選べばいいかわからない・選択肢を探すのが大変だったようですが、徐々に慣れてきました。

毎年4~6月に、前年度分のインシデントレポートの統計作成を集中的に行います。 今年は新型コロナの外来対応やワクチン接種の準備で、なかなか時間が取れませんでした。
e-Risknは入力した内容が、ぱっと統計になって出てくるのがいいですよね。

e-Risknに切り替えたのが昨年11月だったので、今年度は一部手集計も残りました。 来年度は手集計が無くなって、もっと楽になる!と期待しています。

e-Risknの具体的な活用方法を教えてください。

インシデントレポート・アクシデントレポート・針刺し切創・皮膚粘膜曝露の様式を使っています。
また、PDCA機能を使って、業務改善計画書を作成し院内ラウンドの記録を残しています。

高下様が、e-Risknで気に入っているところはどこですか?

e-Riskn、毎日見てますよ。見るのが当たり前になってきました。
まず、起動してすぐ前月と当月の報告件数が見えるのがいいです。 目から入ってくる情報は大きいので。

統計や分析に必要な情報が抜け漏れないように、必須入力の項目を設定できるのも良かったです。
事故の内容や要因を細かく分類して入力してもらっているので、助かっています。 私が必要だと思う項目が、いつもちゃんと入力されているのはありがたいですね。

2項目を自由に選んで統計が作れるクロス集計も、便利だなと思っています。
今まではそこまで踏み込んで分析できなかったのですが、e-Risknだと項目を2つ選べば統計を表示できるのが面白いです。 特に、「部署と事故内容」・「部署と〇〇」といった集計を用いて、数字をもとに他部署・多職種でインシデントの傾向を掴み対応策を議論して注意を促せれば、院内全体で医療安全を進める武器の一つになるんじゃないかなと思っています。

また、私以外の推進チームのメンバーにも統計の出し方・見方は教えています。

ポータル画面で、前月/当月の件数がすぐ分かる。

コロナ禍のため、オンライン導入・サポートとなりましたが、ご不安はありませんでしたか。

あまり不安は感じませんでした。
私自身はアナログ人間なので、困ったら導入担当者やサポート窓口へ電話していました。 きちんと対応してもらっていたので、困ることはありませんでした。

新型コロナ対応の一環で、患者様家族の面会を制限しました。ご家族が県外・市外に住んでいるケースが多いこともあり、オンライン面会にも取り組んでいました。それもあって、オンラインやテレビ会議での導入に抵抗は無かったのだと思います。

今後のe-Risknへの期待をお聞かせください。

電子カルテと連動する通知の機能があったら、もっと便利になる!と思っています。
声掛けや意識づけは行っていますが、なかなか職員全体に周知徹底するのは難しいです。 お知らせや通知が上がってくれば、情報共有の促進につながると期待しています。

※電子カルテと連動する通知機能を、機能強化で実装予定です。

院内での共有にお使いください
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