病院名 | 医療法人相生会 金隈病院 |
所在地 | 福岡県福岡市博多区金の隈3丁目24番16号 |
許可病床数 | 395床(地域包括ケア:42床、医療療養:353床) 、医療安全対策加算2 |
併設の施設名 | 介護医療院かねのくま |
入所定員 | 45人(短期入所含む) |
併設の施設名 | 介護老人保健施設 楽陽園 |
入所定員 | 100人(短期入所含む) |
福岡県福岡市博多区の金隈病院は、介護医療院・介護老人保健施設を併設し、老年期疾患の医療と介護を専門にされていらっしゃいます。また在宅療養後方支援病院として地域の在宅医療を支えています。
2020年12月にインシデント報告のタイムリーな情報共有と集計業務の簡素化を目的として、「e-Riskn」をご導入いただきました。
導入の背景や活用方法について、医療安全管理者の春木(はるき)様にお話を伺いました。
これまでのインシデントレポート運用に、どのような課題を抱えていましたか?
これまではインシデントレポートもヒヤリハットも、紙で報告をしていました。
大きなインシデントは、直接報告をあげてもらっていました。
ただ、紙だと現場から管理者に報告が上がるまでに時間がかかります。
まずは管理者として、現場からの報告をタイムリーに見たかった。
その報告を、すぐに現場へ情報共有したかったです。
集計作業も大変で、クラークさんと二人掛かりで手集計していました。
クラークさんは、報告書を読みながら分類分けと集計を行い、原本をコピーして私へ持ってきてくれていました。コピーした報告書を元に、クラークさんが作成した集計表を私がダブルチェックをして…。
発生場所や時間、患者さんの状態などで細かく分析し対策を立てたいと思っても、紙から集計しないといけないという作業のハードルが高くて、したくてもできない状況でした。
今回e-Risknの導入にあたっては「報告をタイムリーに見て現場と共有したい」「集計を簡単に終わらせて分析したい」と期待していました。
システム選定にあたって、重視したポイントはどこでしたか?
当院は入院患者の多くを高齢者が占めるため、転倒・転落、スキンテアといったインシデントが多い傾向にあります。
そういったよく発生する事故や、障害高齢者の日常生活自立度・認知症患者の日常生活自立度といった患者項目を入力できるか、療養病床の運用に合うか、というのは重視したポイントでした。
e-Risknの画面を最初に見たとき「見やすいな」と感じました。
療養病院での運用もカバーできそうで、導入はメリットしかないと思いました。
e-Risknの導入効果を、どんなところに感じますか?
今回、インシデントレポートだけではなくて、ヒヤリハットの様式もe-Risknで入力できるようにしました。報告がタイムリーに見れるようになって、インシデントの未然防止につながっています。
インシデントだけではなくて、針刺し切創・皮膚粘膜曝露が発生したら、すぐ感染管理担当と共有しています。これまでは各部署で対応していたクレームも、発生したら患者サポートセンターや関連する部署と共有できるようになりました。
クラークさんにお願いしていた集計業務も全て無くなりました。
紙の原本を保管していましたが、その必要も無くなりました。
委員会に提出する資料作成のため、紙の束からレベル3A以上のレポートを抜粋し手入力で一覧を作っていたのですが、一括印刷機能で簡単にできるようになりました。
作業的には今までの1/3以下、体感的にはもっと減っているかもしれません。
1時間もあったら資料作成が終わるようになりました。
e-Risknの具体的な活用方法を教えてください。
インシデントレポート・アクシデントレポート・ヒヤリハット・針刺し切創・皮膚粘膜曝露・患者クレーム・死亡死産、全ての様式をフル活用してます。PDCA(業務改善計画書)と研修も使っています。
死亡死産の様式は、療養病床ならではの使い方をしているかもしれません。
患者様が最期を迎える際に医療処置を望まないご家族も多いのですが、予期せぬ死亡があった際に振り返りをすることは重要です。
予兆に気づけたか、発生時の記録がきちんとした形式で残っているか、家族への連絡タイミングは適切だったかという点で、電子カルテの記録と合わせて振り返りをするときに使ってます。
春木様が、e-Risknで気に入っているところはどこですか?
研修の出欠管理ですね!
これまでは、クラークさんが紙の出席簿から出席率や欠席者を集計してくれていました。
今はe-Risknの研修機能で行っています。
動画研修でも、見たか・見ていないかを管理できるようになりました。
最初は医療安全の研修だけで使っていたんですが、いつのまにか感染管理や個人情報の研修でも使いたいとなって…操作方法を院内で広めて行きました。
統計もわかりやすくて、時間ごと・発生場所ごとに簡単に表示されるところも気に入ってます。
今後、e-Risknをどのように活用していきますか?
看護部では医療安全マニュアル通りにちゃんと出来ているか、各部署でチェックをしてもらっています。
来年度は、そのチェック結果をもとに各部署の弱み・強みを洗い出そうと考えています。
弱みのうち改善したほうが良い部分は、e-RisknのPDCA (業務改善計画書) 機能を使って定期的にフォローしていきたいです。
今後のe-Risknへの期待をお聞かせください。
コロナ禍で、動画研修が増えました。
研修の出欠を取ることに加えて、全体の進捗率が表示されたり、アンケート集計・研修後の理解度のテストができるようになったりすると、もっと使いやすくなると思います。
※金隈病院様では、ゼロレベルを「ヒヤリハット」として報告されています。