病院名社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 総合母子保健センター 愛育病院
所在地東京都港区芝浦1丁目16番10号
許可病床数160 床(NICU:12 床、GCU:24 床、MFICU:9床、PICU:12 床含)

東京都港区の愛育病院様は、母と子にやさしい継続的医療を実施する母子の専門病院です。
2023年9月に、「e-Riskn」をご導入いただきました。

導入の背景や活用方法について、導入検討時の医療安全管理者 安村(やすむら)様と、現在の医療安全管理者 今井(いまい)様にお話を伺いました。

動画でのインタビューはこちら

これまでのインシデントレポート運用にどのような課題を抱えていましたか?

安村様:当院では、レポートを手書きで運用していました。毎日午前中にコンシェルジュが、各部署のレポートを専用の封筒に入れて事務(管理課)のところに集めます。事務はレポートに番号を振り、原本を院長へ、コピーを管理者へ渡していました。

私が不在の間はレポートの事案についてヒアリングや介入もできませんし、なにより紙も無駄ですよね。

今井様:その後、管理者は集まった約90枚/月のレポートをエクセルに入力します。

事務は集計用のエクセルで、集計を手作業で行っていました。

毎週会議があり、集計結果と事例をまとめなおして資料の準備をしていました。

安村様:レポートの関連づけも全部手作業です。

入力作業にたくさんの時間を費やしていました。

システム検討のきっかけは何でしたか?

安村様:以前から、標準的なシステムを導入したいという話はありました。

ただ、コストパフォーマンスが見合うのか、総合病院ではない当院にぴったりなシステムがあるのかという2点で導入を見送っていました。

そういう思いを抱えていたところ、院長が「レポートの原本にハンコを押す作業も無くなればいい」という発言をされて、「今だ!がんばって巻き込むのは今しかない!」と進めてみました。

そこから師長会・委員会などで導入のメリットや必要性を言い続けて、じゃあ検討してみようかとなりました。

選定で重視したことを教えてください。

安村様:シンプルさ・見やすさ・重々しくないという見た目の部分と、総合病院ではない当院の様式や運用に沿った使い方ができるか、サポートが充実しているかという部分を重視しました。

いくつか見たシステムは細かすぎて、紙からいきなりそのレベルはちょっとハードルが高かったです。本当に導入できたら、管理者だけではなくリスクマネージャーも含め、私たちの実力で使いこなせそうかというのは考えました。

最終的に4社に絞り、リスクマネージャーにアンケートを取って、e-Risknに決めました。私たちの熱量だけではなく、ちゃんとメインで使うリスクマネージャーと選びました。

院長も選定過程に参加していたので、スムーズに決済をもらうことができました。

e-Risknの印象を教えてください。

安村様:ホームページで検索して一番に出てきました。病院のカラーがピンクで、e-Risknのカラーもピンクだったのでまずかわいいなと(笑)。

画面を見るとシンプル。一画面で入力完了できるようになっていて重い感じもしない。これなら、現場も嫌がらずに入力してくれるという期待感もありました。

ほぼ単科の病院ですとお問い合わせをしたのに積極的にご連絡・ご提案いただいて、真剣に向き合ってもらえるのかも・相談の余地があるのかもって、ちょっと嬉しかったんですよね。

導入作業開始のタイミングで異動されて、導入への不安はなかったですか?

今井様:検討過程も一緒に参加していましたし、システム導入に関しては不安はなかったですね。

安村様:導入担当の吉村さんのサポートも手厚くて!

毎回すぐ聞いていました。やりたい気持ちが強すぎて、困らせたと思うんですけど(笑)。

今井様:8月にプレ運用をしました。たくさん質問が来ると思っていたら、そうでもなかったんです。基本は紙の様式と一緒なので、現場は戸惑った感じはなくスムーズでした。紙と違ってコピーも書き直しもできるし、スタッフも「使いやすい」と思ったのかもしれません。

安村様:リスクマネージャーは手書きや書き損じのレポートを読まなくて済むし、レポート用紙の管理ストレスも無くなりました。パソコンを開けば自分の時間で見られます。

どんなところに導入の成果を感じますか?

今井様:成果しかないです!統計も見やすい!

安村様:会議資料が素敵になりましたね。本当に会議資料いいですよね。

今井様:会議で扱う事例に目星をつけるのにレポートを確認しつつ、共有したい事例にはとりあえず「委員会報告」というタグをぽちっとつけておきます。

いざ資料を作るときにレポートを探さなくてよくなりました。「委員会報告」タグがついたレポートから会議資料が作れるし、コピペもできます。すごく時間が短縮できますね。

全体の把握もしやすくなりましたね。院内で何件ぐらいインシデントが起こってるか、ポータル画面ですべてわかります。

安村様:事務の仕事もほぼ無くなったって言ってましたね。そこもすごく良かった。

集計数が合わないと困るので、私と事務で会議前日に集計の確認をする打ち合わせをしていました。数が合わないとまた手作業で探して…。

今井様:今は当日会議前の10分で終わります!

医師のレポート枚数も増えました。全体の約10%が医師からの提出です。医局に戻ってパソコンを立ち上げればそこで入力できますし、入力しやすいのだと思います。

リスクマネージャーの医師も、こまめにコメントで返答してくれます。会ってやり取りするとなると、スケジュールを見て会える時間を探して…となりますから。

業務の間にこうしました・こう周知しましたとコメントを入力しておけば、後からお互い確認できるのはいいですよね。

いろんな部署が関係してくるインシデントの場合に、今までは各部署や責任者に伝達する術がなかったので、レポートのコピーを渡していました。

今はレポートの公開範囲を広げるだけで見てもらえるので、それも気に入っています。

医師のレポート件数を増やすために、工夫されたことを教えてください。

今井様:産科に特化した「医療の質を向上させるための報告」を、医師が用意してくれました。

出産で、出血が多く子宮を取らないといけないケースだったり、手術に予定時間以上に時間がかかったり、インシデントやアクシデントにはならなくても、振り返ることで医療の質が向上します。

安村様:院長の知り合いの医師から医療安全の講義を受け、そのときにQI報告という視点を教えていただいたことがきっかけになりました。

今後の課題やe-Risknへの期待を教えてください。

今井様:PDCAサイクル(業務改善計画書)をまだ使えていないので、どのように使っていこうかというのが課題ですね。

安村様:e-Risknには、私たちの使いこなし方に合わせて、統計もどんどんバージョンアップしていってほしいです!

院内での共有にお使いください
PDFダウンロード